世界囲碁 2019 2 10

 みなさんは、囲碁をやったことがありますか。
私は、高校生の時に、友人に誘われて、囲碁を覚えました。
 強い友人を相手に、
苦労したというか、苦戦したことを覚えています。
 意外なところに「石」を打たれて、
それが、後々、戦局に大きく影響が出ることがあります。
 最近、日本でも、
南米のベネズエラの政情不安のニュースが報道されるようになりました。
 日本から見れば、地球の裏側の出来事なので、
多くの人は、「日本には関係ない」と思ったでしょうが、
実は、日本の安全保障に大いに関係があるのです。
それは、日本が安全保障をアメリカに依存しているからです。
 アメリカにとって、ベネズエラは隣近所のようなものです。
日本で言えば、北朝鮮のような「隣近所」です。
 そのベネズエラが、反米になったら、どうなるか。
「北朝鮮問題」を経験している日本人ならば、よくわかるはずです。
 一時期、北朝鮮が核実験や弾道ミサイル発射で日本を悩まして、
日本は、その問題に専念せざるを得なかった時期があります。
 ベネズエラがアメリカを批判するだけならば、
アメリカは、静観しているでしょう。
 アメリカは、シェール革命によって、
世界最大の産油国になったので、
ベネズエラの原油は関係ありません。
 そもそも、ベネズエラの原油は、極めて重質なので、
石油製品にするには、手間がかかりすぎるのです。
 原油高の時代は、重質油でもほしくなるでしょうが、
原油価格が低迷すると、重質油はコスト高になります。
そういうわけで、今回の騒動に原油は関係ありません。
 問題は、ベネズエラが反米の勢いでロシアや中国に接近したことです。
もし、ベネズエラにロシアの空軍基地ができると、
アメリカの安全保障に大きな影響が出ます。
 万が一、こうした空軍基地に核兵器が持ち込まれると、
アメリカにとって、最悪の展開になります。
 第三次世界大戦の危機を招いたと言われる、
かつての「キューバ危機」を連想させます。
 そういうわけで、アメリカとしては、
「北朝鮮問題」を軽く切り上げて、
「ベネズエラ危機」に専念したい気分でしょう。
 アメリカは、「キューバ危機」の再来を防ぐために、
あらゆることに取り組むでしょう。
外交手段に情報工作に軍事介入といろいろ考えるでしょう。
 もちろん、ロシアや中国は、
アメリカを「ベネズエラ問題」で思いっ切り悩ませて、
「北朝鮮問題」を穏便に済ませたいという思惑があるでしょう。
 もちろん、ロシアや中国が「ベネズエラ問題」をやりすぎると、
何をするかわからないトランプ大統領の予測不能な決断を招くというリスクがあります。
 いずれにせよ、アメリカにとって、優先課題は「ベネズエラ問題」であり、
「北朝鮮問題」は、「次の問題」となったでしょう。
 多くの識者が懸念しているのは、
アメリカにとって、北朝鮮の核兵器よりも、
ベネズエラに持ち込まれるロシア製の最新兵器や核兵器が問題でしょう。
 私は、10年以上前から何度も書いていますが、
「自分の国は、自分で守る」ということが、
いかに重要かわかったでしょう。
 もちろん、日本が「ベネズエラ危機」に介入するという外交戦略もあるでしょうが、
日本の政治家に、それほどの度胸はないうえに、
日本には、「情報機関」がないので、無理でしょう。
 多くの日本人は、国際紛争があると、
よく「外交で解決すべきだ」と言いますが、
これは、中学生や高校生の弁論大会のレベルです。
 外交と軍事力は、表裏一体のものです。
さらに、外交と情報機関も表裏一体のものです。
軍事力と情報機関が弱ければ、まともな外交はできません。
 かつて、日本は、アメリカに追いつくと言われた経済力で、
「経済外交」をやっていましたが、
今や、日本の経済力は中国に抜かれて、
10年以内には、インドに抜かれることが確定的です。
さあ、どうする?

かごの中の鳥 2010 5 22

「米軍が見た自衛隊の実力」(北村 淳)から引用
 極めて情けない話だが、
「海上自衛隊の艦艇がマラッカ海峡を通過する前に、
われわれがP-3を出して安全を確認している」という話を、
アメリカ海軍P-3部隊関係者から聞いたことがある。
 いくらなんでも、そのようなことはないだろうと思っていたところ、
海上自衛隊のP-3C部隊関係者から、
「そのような事実もあった」という話を聞いた。
 自国の軍隊すらアメリカ海軍によって護ってもらっているのでは、
アメリカ海軍に「われわれが日本のシーレーンをオープンにしている」と豪語されても仕方ない。






























































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